「光治療」と「レーザー治療」の違いとは?
このページでは、光治療とレーザー治療の違いについて詳しく説明しています。どちらも皮膚科や美容皮膚科、クリニックなどで用いられる医療機器です。肌のさまざまな悩みにアプローチするという点では共通していますが、用途には違いがあります。それは、それぞれの機器の「パルス幅」と「波長」に違いがあるからです。
大きな違い1.パルス幅
最初にパルス幅とは何かということについて把握しましょう。パルス幅は、光が照射される時間を意味します。ナノ秒やピコ秒など、瞬きよりも短い一瞬のみの照射が可能な機器が、現在までに開発されています。基本的には、パルス幅が長いと光はターゲットの周囲にも広がり、短ければターゲットのみに光は影響をおよぼします。
光治療のパルス幅
光治療では、パルス幅が長いのがひとつの特徴となっています。そのため、光を照射するターゲットの周囲の皮膚にも光による熱が広がります。「広く浅く」肌へアプローチできる機器だといえます。効果はややマイルドになるため、光治療が照射された部分は、術後に炎症や色素沈着などのトラブルが起きにくいのが魅力です。
レーザー治療のパルス幅
レーザー治療は光治療とは対象的に、肌に強くアプローチしたいときに行われる治療です。それは、パルス幅が短いことが大きな理由です。ピコ秒など、きわめて短いパルス幅の場合は特に、照射するターゲットの周囲の皮膚へは熱が広がりにくくなります。「ピンポイントで」かつ「深く」はたらきかけることが可能です。
ピコ秒のパルス幅で照射ができるピコレーザーが開発されるまでは「QスイッチYAGレーザー」など、ナノ秒のパルス幅で照射ができるレーザーが、最も短いパルス幅でした。ピコレーザー開発後は、ナノ秒は最短のパルス幅ではなくなってしまいましたが、それでも充分に高性能の機器であるといえます。現在では、どちらの機器も肌の治療現場で活躍しています。
大きな違い2.波長
光治療とレーザー治療の最も大きな2つの違いのうち、もうひとつの要素である「波長」についてみていきましょう。波長は、光の性質を表しています。「波」という文字の意味通り、光は山と谷が繰り返されています。山から山、あるいは谷から谷までの長さが光の種類によって異なるわけです。波長が長ければ長いほど、肌の奥まで到達しやすくなります。
光治療の波長
光治療で使用される光は「IPL」と呼ばれています。このIPLは、1種類のみの光だけでなく、複数種類の光を持っています。そのため、さまざまな肌の悩みに対応できるのが魅力です。複数ある波長を、シミやしわ、ニキビ跡、たるみなどに対して「肌の表面から中まで」広く作用させることが可能なのです。
つまり、光治療は、どれかひとつの悩みをピンポイントに集中的に改善するための治療ではなく、顔全体をケアするための治療方法のひとつだと理解しておくとよいでしょう。広い範囲にフラッシュを浴びせる施術なので、顔全体の肌質をよりよい状態に改善したい場合に向いていると言えます。
レーザー治療の波長
レーザー治療は、光治療の場合とは異なり、特定の長さの波長を、その波長が特にしっかりとアプローチできる皮膚の深さや色素に作用させたい場合におこなわれる治療です。「レーザー」とひとくちにいっても、各レーザー機器がもつ波長はさまざま。「これはメラニンの黒い色素に反応しやすい波長だからシミやきず跡の改善に」「これは赤い色素に反応しやすい波長だから、肌の赤みの改善に」など、用途に応じて機器を使い分けます。
また、肌の深いところまで到達する波長をもつレーザーなら、シミ除去などのみにとどまらず、真皮上層部にアプローチしてコラーゲン生成をうながすことも可能です。若々しい印象を与える肌を目指したいときに行われる治療方法です。
光治療とレーザー治療の特徴
光治療とレーザー治療の最大の違いは、機器が照射するパルス幅と波長でした。どちらがより優れているか、ということではありません。照射される光の性質や数、そしてパルス幅などが異なるため、それぞれに適した用途があるわけです。そこで、それぞれの治療について、さらに詳しい特徴をみていきます。実際に病院やクリニックで、先生に相談したりカウンセリングを受ける前に把握しておけば、治療に関する説明をよりスムーズに理解しやすくなるはずです。
光治療の特徴
顔全体の肌コンディションの改善のために行われる光治療。ひとつの肌トラブルのみを集中的に治療するのではなく、複数の肌トラブルに働きかけることができます。それは、光治療で使われるIPLという光に、複数の波長が含まれているからです。美容医療の分野で用いられるIPLは、だいたい500nm~1200nmの波長をカバーしています。
例えば、シミなどの原因となるメラニンに作用するのは600nm~1000nmあたりの波長です。一方で、赤い色素に反応しやすい585nmあたりの波長にも対応しているため、「シミが気になるけれど、肌の赤みも改善したい」といったような悩みを解消するための治療でも役立ってくれます。
光治療ならダウンタイムを短縮できる
光治療で利用するIPLは、レーザー治療と比較すると、肌へのアプローチはややマイルドになっています。IPLは複数の波長を照射するため、波長の山の部分と谷の部分にバラつきがあることが、その理由です。そのため、効率よくスピーディーに肌を改善したい場合には、あまり適していないかもしれません。しかし、「少しずつでいいから肌質を改善していきたい」というような場合には最適です。また、肌への作用がマイルドであるということはつまり、術後のダウンタイムも短くなる傾向があります。
レーザー治療の特徴
レーザー治療も、光を照射させて肌の問題の改善を目指す点では、光治療と同様です。しかし、複数種類の波長を肌にフラッシュして「顔全体の肌質をアップさせる」「さまざまな悩みに優しく働きかける」という考え方においては、光治療とは異なります。レーザー治療では、例えば「シミを消したい」という1種類の肌の悩みに対して、1種類の波長を用いて、集中的に強めのパワーでアプローチしていきます。それぞれの波長をもつレーザーは次のとおりです。
- ダイレーザ(585nm)
赤い色素に反応するため、肌の赤みをおさえたり血管性疾患を治療したりするのに用いられます。 - ルビーレーザー(694nm)
メラニン色素に反応するため、シミなどを治療するのに用いられます。 - アレキサンドライトレーザー(755nm )
メラニン色素に反応するため、シミを治療するのに用いられます。 - ダイオードレーザー(810nm~940nm )
メラニン色素に反応するため、シミなどを治療するのに用いられます。 - Nd-YAGレーザー(1064nm)
メラニン色素と赤い色素に反応するため、シミや赤アザの治療をするのに用いられます。
※ルビーレーザーが表在性のシミやあざの治療に適しているのに対して、ダイオードレーザーは波長が長いため、深在性のシミやあざを治療するのに適しています。
パルス幅と波長の「組み合わせ」による治療
肌の悩みを改善するために行われる光治療とレーザー治療について、それぞれ分けて説明してきました。けれども、光を照射して肌にアプローチするという方法は共通しています。
ですから、実際に治療を行う際には、事前のカウンセリングなどで、それぞれの特徴をうまく組み合わせた治療方法について、先生とじっくりと話し合うことが重要です。「パルス幅」と「波長」、そして想定される治療期間やダウンタイムなど、観点から考えを伝えるようにしましょう。
光治療の施術メニューを組み合わせて肌の悩みにアプローチ
IPLを用いた光治療では、他の美肌メニューを併せて受けるのがおすすめです。相性のよい治療を組み合わせることで、理想とする肌を目指します。
たとえば、IPL治療とピーリングは相性◎です。ピーリングで、あらかじめ角質などを除去しておきます。すると、IPL治療で照射された光の波長が、肌の奥までしっかりと作用しやすくなるといわれています。あるいは、IPL治療のあとにイオン導入などの施術を受けると、有効成分が浸透しやすくなるともいわれています。このように施術を組み合わせることでより悩み解消への近づけるでしょう。
光治療に使われる機器
光治療に使われる機器の一部をご紹介します。
- フォトフェイシャル
IPL治療の草分け的存在です。シミから小ジワまで、幅ひろい治療に対応している機器です。 - ライムライト
日本人の肌を治療するのに適した機器です。肝斑や濃いくすみなど、やや難易度が高いとされる肌の悩みにもアプローチ可能です。 - フォトフェイシャルアクネス
ニキビの原因とされるアクネ菌を死滅させるための治療でも用いられる機器です。光源は、特殊な高輝度金属ハロゲンランプです。 - フォトシルクプラス
高いメラニン色素分解能力のある機器です。ピンポイントの肌トラブルだけでなく、全体的な肌質改善のための治療にも用いられます。 - エリプスI2PL
肌に負担がかかる波長がカットされているのが特徴です。デンマークのエリプス社の機器です。
「フォトフェイシャル」と「ライムライト」について
「フォトフェイシャル」と「ライムライト」は、いずれも光治療で用いられる機器です。フォトフェイシャルは知名度が高く、この名前を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。ただし、これは白人の肌用に開発されているため、日本人の肌にはあまり適していない場合もあります。まだフォトフェイシャルしかなかったときに、日本人の肌に合うように日本人医師が開発したのがライムライトなのです。フォトフェイシャルと比べるとより効率よく力を発揮してくれるでしょう。
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